土に還る、環境に優しい総天然素材革工房:革榮

2021年05月06日

使用電力を100%再生可能エネルギーに転換する意思と行動を示し、再エネ100%利用を促進する取り組み「再エネ100宣言 RE Action」は聞いたことあるのだろうか?

RE Actionに参加している土に還る「総天然素材革工房:革榮」の辻榮さんにお話を伺ってみた。

エコ製品を作るなら製造過程もエコじゃないと

小さい頃からものづくりが好きな辻榮さんは図工の授業の時間によく木製パズルを作ったりしていた。2003年に初めて革財布に出逢って、その素材の魅力に惹かれ、独学で革製品を作り始めたのだ。

「革製品は食肉の副産物である動物の皮を使っているので、基本的にエコ製品」と説明する辻榮さんは2010年に新たに気づいたことがある。製品自体はエコでも、その製造過程に使われる材料やエネルギーもエコでないと意味がないと。「天然素材」と訴える以上、製造過程におけるエネルギー源や材料の供給元も徹底してやらなきゃと決めた辻榮さんは自ら作る革製品で使われる接着剤やワックスも全て天然な素材に替え、それから電気もクリーンエネルギーを使用することになったのだ。

家も工房もオフグリッド

辻榮さんは2018年に千葉県の睦沢町に移住した。その理由は睦沢町が民間企業と連携し、町内で循環型のエネルギー供給システムを構築し、環境に優しいまちづくりを目指しているからだという。エコ製品創りと環境に優しい事業をするなら睦沢町ということで、移住先として選んだのだ。

実は、辻榮さんの家も、その隣の工房も、どちらもほぼ100%再生可能エネルギーで発電している。つまり、電力会社の送電網に繋がっているが、ほぼ自給自足でエネルギーを作っているのだ。辻榮さんの家の屋上にはソーラーパネルが並べられ、晴れた日には太陽光で家と工房の電気を賄っている。そして曇りや雨の日、または夜間では、ご自身が所有している電気自動車を放電機に繋ぎ、V2Hで電気自動車から電気を供給しているという。

つまり、晴れた日の昼間には、太陽光パネルで発電し、家で使いながら、電気自動車を充電している。そして夜間には、電気自動車で貯めた電気で供給している。さらに、あまり電気を使わない日には電気が残る時もあるので、その場合は売電するという。

屋上の太陽光の発電量や家で使用している電気使用量は全てアプリで管理されているので、どれくらい発電し、または使用しているか、携帯電話の画面を確認すれば一目瞭然。曇った日には電気使用量を減らすなど、調整することができるのでとても便利。

製品の物語を知るとイメージがガラリと変わる

辻榮さんのお話を聞いた後、改めて革榮の製品を見ると、なんだか違うように見えてきた。再生可能エネルギー100%の電気を使い、接着剤などの素材は全て天然なものにこだわり、究極なエコ製品にこだわり抜いた革榮の製品は、イメージがガラリと変わった。そして、自分が所有しているものの製造過程を想像し、自分の身の回りに天然なもの、または環境に優しいものでできているか、じっくり考えるきっかけにもなった。


執筆:デニス・チア(ユアスタンド株式会社

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