EVシフトに必要なのは基礎充電の整備
2021年11月15日
世界の自動車業界に急速に広がる電気自動車(EV)へのシフト、日本も例外なく、少しずつながらも着実にEVへ移行している。11月24日NHKで放送された「EVシフトの衝撃」というドキュメンタリーをはじめ、最近は様々なメディアで不可逆的なEVシフトを取り上げられることが多くなっています。
しかし、その中であまり多く語られていない根本的な課題について今日は述べさせていただきたいと思います。EVに乗ったことあるのなら「当たり前」ですが、いわゆる「基礎充電」はEV普及において必要不可欠なのです。残念ながら、上記のドキュメンタリーでも、こちらの産経新聞ニュースサイトのEV関連の記事でも、「基礎充電」が全く言及されていません。本記事では基礎充電についてご紹介したいと思います。
100年前に馬車の代わりに四輪ガソリン自動車が出てきた時、20年前にガラケーに代わってスマホが一世風靡した時、誰も止めることができませんでした。そして今、脱炭素が世界中で注目されている中、ガソリン車から電気自動車(EV/PHV)への転換も同様に、誰もが想像しているスピード以上に速く起きるでしょう。
しかし、EV普及には様々な課題が残っています。よく挙げられているのは、航続距離、充電インフラ、高価格です。航続距離はEV車種にもよりますが、満充電で250キロ~400キロが一般的で、それ以上走る車種ももちろんあります。そして、高価格という課題については、電池価格の下落により今後格安なEV車も続出するでしょう。実際、今EV先進国の中国では50万円台の「宏光(ホンガン)MINI EV」が販売されています。これからも高級EV車だけではなく、格安なEV車、またはEV軽自動車もどんどん販売されるのでしょう。
最後に、充電インフラという課題で、今日の本題でもあります。
EV充電は基礎充電、経路充電と目的地充電の3つの分類で分けられています。
EV充電といえば、恐らく殆どの人が最初に思い浮かぶのは、高速道路のSA/PAや道の駅にある大きな急速充電器でしょう。こちらは経路充電です。経路充電は文字通り、どこか遠くへ出かける際に寄る充電設備のため、30分間くらいの比較的短時間で急速に充電し、旅を続ける。少し滞在時間の長いガソリンスタンドのイメージですね。
目的地充電も文字通り、どこかへ出かけた目的地で行う充電です。観光地、ホテル、商業施設などが挙げられます。
そして、いわゆる基礎充電というのは、自宅や職場、長い時間滞在する場所で行われる充電になります。長い時間滞在するので、急速に充電する必要はないため、基礎充電は基本的に「普通充電」になります。普通充電というのは、経路充電で使われる大きな機械ではなく、どちらかというと200V15A ~ 30Aのコンセントに近いものになります。
急速充電と普通充電の違いを表でまとめてみたのでご参考ください。
普通充電は携帯電話をイメージしていただけるとわかりやすいです。
◯◯の充電は急速に30分で満充電するのではなく、何時間もかかる。
◯◯の充電は何かをしながら(寝ながら、家でゴロゴロしながら)するもの。
◯◯の充電はわざわざ外に出かけてするものではなく、家で充電する。
◯◯の充電は0%になってから初めて充電するというより、20% ~ 40%になったら充電する。
〇〇には携帯電話もEVも当てはまる。
もしかしたら、電気自動車を「自動車」で見てはいけないかもしれません。極端な言い方をすると、電気自動車は「携帯電話」や「パソコン」の方に似ているかもしれません。
そのため、電気自動車は急速充電でどんどん充電するというよりも、家で寝ている間に、または仕事している間に、少しずつ充電するものです。
実際、EVグローバルアウトルック2021年というレポートによると、世界各国において充電の9割は基礎充電、つまり自宅や職場で行われています。
一戸建てにお住まいの方であれば想像がしやすいのですが、マンションなどの集合住宅にお住まいの方は無理だと思っていませんか?集合住宅の場合は、充電器をバンバン設置しなければならないんだと思っていませんか?
いえ、実は集合住宅におけるEV充電の整備は思うほど難しくありません。もちろん、全てのマンションに絶対設置可能とは言いませんが、殆どの場合は可能です。
共用部に何基か設置してシェアするか、全ての区画に充電コンセントを設置して自分の契約区画で充電するか、もしくは機械式駐車場で自分のパレットで充電するか・・
運用方法は様々なありますが、ユアスタンドなら上記全て対応可能です。
初期費用はかかりますが、補助金を使えば格安に導入可能です。
充電料金については利用者が専用アプリで課金するので、受益者負担の実現が可能です。つまり、使った人が使った分を支払う仕組みができます。
電気容量に限りがある場合は、ユアスタンドのマルチチャージングコントロール(MCC)で同時充電可能な台数を決めて、それ以降は予約順番にすることができます。
最後に、管理者には、利用明細や予約状況が確認できる管理システムも提供しているので、管理者からすると簡単に管理することができます。
EVの普及には「基礎充電」が欠かせないです。そして、集合住宅における基礎充電は無理ではありません。
お住まいのマンションでEV充電器の導入・運用でお困りの方はユアスタンドにお問い合わせください。