災害時における自助、共助と公助、そしてEVが果たす役割

2021年01月17日

1995年1月17日に起きた、阪神淡路大震災から26年が経ちました。実は、兵庫県淡路島北東の明石海峡の海底付近を震源として発生したこの大震災の犠牲者6,434人で、第二次世界大戦後に日本で起きた災害で、2011年の東日本大震災に次ぐ被害規模になります。

地震は予測不可能な災害で、今後数年間のうちに引き起こされるのであろう、「南海トラフ大地震」や「首都直下地震」はこれ以上の被害が予測されています。さらに、気候変動による異常気象は近年多くなっています。2019年の台風15号と19号、2020年の西日本豪雨災害など、大規模な災害は歯止めがかからず、頻繁に起きています。

大災害が起きると、負傷者・行方不明者・死者が出るのはもちろん、更に電気、水、燃料、インターネットなどのライフラインが途絶えること、いわゆる二次災害が起きることが想定されます。真夏や真冬だと、その間は暑さや寒さを我慢しなければならない。備蓄食品や飲用水がなければ、更なる犠牲者が出ることに繋がるでしょう。

災害時における「助け方」は3種類あります。

自助、共助、公助

言葉の通り、自助は「自分で助ける」、共助は「共に助ける・お互いを助け合う」、そして公助は「公的な支援で助ける」ということになります。

言うまでもなく、災害が起きてしまうと、急な変化に頭が真っ白になり、刻一刻に事態が変わっていく中で冷静に考えることができなくなるので、「自助、共助、公助」は多くの場合、災害が起きてからではなく、災害が起きる前の平常時に準備しておくことだと言われています。これはいわゆる「防災・減災」です。

1995年の阪神淡路大震災から26年が経ち、2011年の東日本大震災から10年が経った今、あれから技術革新が進み、防災・減災に活かせる多くの技術が世の中に普及してきました。

その1つは電気自動車(EV)です。電気をエネルギー源とし、電動機を動力源として走るEVは、「走る蓄電池」とも呼ばれています。技術としては決して新しいものではないですが、最近のEVが急速な進化を遂げ、車としても優れていますが、それ以上の機能もたくさん併せ持っています。この記事では、まずは災害時を生き延びる基礎である「自助、共助、公助」をご紹介した上で、EVがこの「自助、共助、公助」においてどのような役割を果たすのか、についてご紹介したいと思います。

自助

自分の家に1人当たり3日分の備蓄食品や飲用水を溜めておくこと:災害発生後72時間は、救助活動(命に関わる救援活動)が優先されるため、物資の支援がその後になることが多いので、それまでは備蓄食品や水を自分で確保する必要があります。

避難場所・避難ルート・ハザードマップの確認:家や学校の最寄りの避難所と、それまでの避難ルートを確認しておくと、いざとなったときに冷静に非難することができる。また、避難ルート上に山があると土砂災害が起きる可能性があったり、川があると大雨や津波によって川が氾濫する可能性があったりします。

家庭内で災害時の連絡方法の確認:災害が起きた時、家族のみなさんが職場・学校・家などバラバラにいることが多いので、その時はどう連絡を取るのかを話し合っておくと、いざとなった時、焦らずに家族に安否確認を取ることができます。

備蓄の電源を確保すること:災害が起きると、水、ガス、電気とインターネットが途絶えます。しかし、東日本大震災発生後に、厚生労働省が発表した報告書によると、電気、ガス、水道が復旧にかかった時間は以下の通りです。

出典:厚生労働省

つまり、ライフラインの復旧にかかる順番は、電気が一番早く、その次に水道、そしてガスになります。

なぜ電気の復旧が一番早いのか?

電力供給設備は発電所から高圧線を通して、変電施設へ電柱へ、そして各家庭へ電気を供給しています。一部の地域では美観や安全性の点から地中へ埋めているところもありますが、ほとんどは地上へ出ています。

地震が発生した場合、一定の震度以上では発電所の安全装置により自動的に発電・送電を停止させます。また発生の規模によって家屋の倒壊や電柱自体が倒れてしまうなどにより電線が切れてしまうこともあります。

復旧には、被災した電線を修理・接続し漏電が起こっていないことを確認した上で、電力供給を再開することになります。

基本的に電気設備は地上に露出していますので、地上に埋められている水道管やガス配管に比べると、途切れている箇所の特定やチェックの他に地中の掘り返し/埋め直すこと必要がないため復旧が早くなります。

出典はこちら

電気、水道、ガスというインフラの中で、一番早く復旧するのは「電気」なので、その電気を使って、電気自動車を充電すれば、移動という問題が解決されます。EVに乗って避難所に行ったり、買い物に行ったり、または困った人を助けに行ったりすることもできます。

また、電気が復旧されるまでの間は、電気自動車に電気が溜まっていれば、V2HやV2Lを活かせば、電気を取り出すことができます。その電気で、連絡手段として必要な携帯電話の充電ができ、暑い真夏には冷房をつけたり、寒い真冬には暖房をつけたりすることもできます。

そして、自宅でEVの充電ができたら、今度は「共助」に繋ぐことができます。以下ご説明します。

共助

共助は簡単に言うと、住んでいる町の中の人々がお互いのことを助け合うということです。普段、顔の見える関係性が築いていれば、災害時に「自助」では賄えない部分は、お隣の人や同じ街に住む人たちに頼ることができます。

例えば、備蓄食品や飲用水が足りない時は共有し合ったり、移動に困った時は車に載せてもらったり、安否確認が取れない家族がいたら伝言してもらったりすることができます。

そして、以上の表でもお分かりの通り、東日本大震災の1日後におよそ半分の世帯に電気のインフラが復旧しました。言い換えれば、残りの半分はまだ電気が復旧していないということになります。その時、EVがあれば、自分のEVから電気を取り出し、電気が復旧せずに困った人を助けることができます。これは、まさに「共助」です。

町の中に、EVを持つ人が多ければ多いほど、電気が復旧せずに困っている人でも、EVという走る蓄電池を活かせば、街全体に電気が行き渡らせることができます。

公助

災害発生後の72時間までの間は、自助と共助が一番大事になります。なぜなら、自衛隊の派遣や物資の配布などの公的支援が届くまでに時間がかかります。それまでは、自分たち、家庭内、またはコミュニティ全体で生き延びることが求められます。

公的支援が届いたら、大きな瓦礫を撤去したり、インフラの復旧をしたりしてもらいます。または必要に応じて炊き出し、避難所の整備などが行われ、災害の規模にもよりますが、少しずつ「復旧」から「復興」へ進みます。

改めてまとめると、災害時には「自助、共助、公助」という3種類の助け方があります。公助は届くのに一番時間がかかるので、まずは自助と共助で生き延びる必要があります。また、技術革新が日進月歩している今の時代では、電気自動車という走る蓄電池を活かせば、災害時には不便を無くし、時には人の命を救える大事なツールになり得ます。インフラの中で、電気が一番復旧するのが早いので、EVを持っていれば、移動手段も早い段階で手に入るし、電気がなくて困っている人たちには、EVから電気を供給することも可能です。

今日は阪神淡路大震災から26年が経った1月17日。26年前を振り返ることも大切ですが、今後を見据えて、今の技術を活かした防災・減災を考え、次の災害に備えることの方が大事だと信じています。


執筆:デニス・チア(ユアスタンド株式会社

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