電柱からの新規引込でEV充電器設置

2021年02月08日 マンション・集合住宅

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電柱からの新規引込でEV充電器設置

所在地:神奈川県横浜市(160戸)

マンションにおけるEV充電器設置の課題

2021年までの電気託送制度においては、「1需要場所、1引き込み、1契約」が原則となっておりましたが、2021年4月から規制が緩和され、1つの建物(マンション等)に複数の需要場所があった場合、特例需要場所(※1)として認められれば、電柱から新たに引き込むことができるようになりました。

経済産業省・資源エネルギー庁のホームページで、電化モビリティー(電気自動車(EV)・プラグインハイブリット車(PHEV)等)の急速充放電器・普通充放電器の設置が事例として挙げられています。

(※1)経済産業省

今回の規制緩和は、すでに始まっているEV普及時代に備え、マンションにおけるEV充電器の設置(基礎充電)の重要性に国が気付き、本格的に基礎インフラとしてEV充電器の導入に取り組む姿勢の現れだと言っても過言ではないでしょう。

電柱の新規引込という選択肢

この記事でご紹介する事例は、横浜市都筑区にあるマンションですが、マンション内にEVが複数台あり、EV利用者から充電器設置の要望があり、今後を見据えた充電環境の整備と、EVを使った災害時のEV活用に注目し、EV充電器の設置を検討しました。(災害時のEV活用については別記事で掲載します)予算化のために現地調査をした結果、設置可能な場所である洗車場は、図のように共用部の分電盤からかなり遠く離れており、配線距離にして160mの配線になります。更に洗車場は坂の上に位置しており、土木工事の発生や躯体への貫通工事など工事内容が複雑になるため、納期、工事費ともに高くなります。

一方、洗車場のすぐ近くに電柱が立っています。電柱から新規引込(メーターをもう一つ設置する)で電気を供給すれば、設置費用は格段に安くなることがわかりました。実際にこの2つの工事費用の見積りの結果が以下のとおりです。

◎遠く離れた共用部の分電盤からの引き込みの場合:220万円

◎近くに立つ電柱からの引き込みの場合:86万円

近くの電柱から引き込めば、工事費用は3分の1くらい減るのに!現行の電気託送制度では1需要場所、1引き込みが原則なのでできないのです。

この事例は決して唯一無二の事例ではなく、恐らく全国で見ても似たような状況にあるマンションもたくさんあるのではないでしょうか。2035年へ向けた急速なEVインフラの拡大を考えたときに、低コストで短期間で充電スタンドを開設できるよう、規制緩和が求められます。

電柱からの新規引込のメリット

幸い今回の場合、洗車場が柵に囲まれており、様々な条件を満たしたことで、例外として見なされ、1需要場所に2つ目の引き込みが認められました。

電柱からの新規引込で設置したメリットとして、設置費が安く済むだけではありません。

今後マンション内における段階的なEVの普及にともない、EV充電器を柔軟に増やしていく必要がありますが、新規引き込みした場合は充電器の拡張が容易に行えます。このマンションのように100台を超えるマンションで今後EVが20台、30台と増えていくことを考えると、その拡張性が重要になります。さらに、充電器をV2H対応の充電器にした場合、災害時に車両から系統に電気を戻すことも考えられます。

新規引込の規制緩和でEV時代に備える

2030年代に日本を含む世界各地においてガソリン車の新車販売が禁止され、EVが普及する時代が一気に訪れます。

そうなった時、EV普及に欠かせない基礎充電が行われるマンションにおいて、複数のEV充電器を設置する際には、この記事でご紹介した通り以下のような課題が出てくると予想されます。

・共用部の分電盤がEV充電器の設置場所から遠く離れており、複雑な配線工事によって設置費用が嵩み、現実的にEV充電器が設置できなくなる。

・既存分電盤の電気容量に限界があるため、複数のEV充電器が必要になった時、電気容量が不足する。特に駐車場台数が多いマンションにおいては引き込みが必須になることが考えられる。

上記の2つの課題を解決するためには、電柱から新規で引き込むことが解決策になります。

2021年4月に「1需要場所2引き込み」が認められたました。この規制緩和は、今後のEV充電インフラ整備を加速化することは間違いないでしょう。


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