町田市「ガーデンセシア」にEV充電器10台設置

2024年03月04日 マンション・集合住宅

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 東京都町田市の大規模マンション「ガーデンセシア」の住民用駐車場に、ユアスタンドのEV用普通充電器が10台設置されました。PHEVをマイカーとして利用されている管理組合の理事にお話を伺うことが出来ました。住宅内への設置で充電が便利になった上に、クルマの乗り方にも変化があったそうです。

         

 ガーデンセシアは、東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅から徒歩5分の立地にある総戸数686戸の大規模マンション。12〜20階建ての3棟の居住棟以外に、広い敷地には芝生広場や庭園、独立した管理棟などがあります。

 セシアプラザという管理棟で待ち合わせしたのですが、管理棟前の芝生周りは広々としています。植栽の管理も行き届いており、テーマパークのようです。まさに「ガーデン」という名前がぴったりの空間でした。敷地の広さを生かして、駐車場も自走式で100%完備。686台+来客用5台分があります。各棟エントランス前のロータリーには、配達トラックなども駐車できる十分なスペースがありました。

 今回お話を聞かせてくれたのは、EV用充電器の導入を検討し始めた2022年から現在まで管理組合の理事を務めておられる三輪さん。充電器の設置に動き始めたきっかけは管理会社からの情報提供だったそうです。最近は、新築マンションにEV用充電器を設置することが標準化しつつあるという話でした。

 ガーデンセシアの入居が始まったのは2000年。もちろん当時はEV用充電器のことなど考えられていませんでした。「いまなら補助金も活用できると聞いて、マンションの資産価値アップのためにもEV用充電器を設置するのは良いのではないかと、話が進み始めました」(三輪さん)

 

 管理組合から導入の相談をされたユアスタンドの担当者が理事会に出席して、EV普及率のデータや他マンションでの設置事例などを紹介。政府の取り組みなどによってEV・PHEVが増加傾向にあることや、電動化社会には自宅や職場で充電する「基礎充電」のインフラが欠かせないという説明を聞いて、理事会として設置を進めることに決めたそうです。マンションの来訪者も安心してEVで来られるというメリットも大きな理由でした。

 導入すると決まって、次に話し合われたのは仕様や台数について。「住民でEV・PHEVに乗っていたのはおそらく数世帯。充電器も2、3台あれば十分なのでは、という声もありました」と三輪さん。しかし、ガーデンセシアの駐車場は、多少の空き車室があるとはいえ、600台以上のマイカーが利用中です。電動化率が高まっていくことを考えると、充電器は10台ぐらいは必要になる、という結論に至ったそうです。充電場所の取り合いになってしまうよりは、余裕を持って設置しておきたい、ということですね。マンションの資産価値向上と言う観点からも、10台がいい、と判断されました。

 2022年12月の総会で議案を提出。住民からは「EVに乗っている人の要望をきちんと確認したのか」「10台も設置する必要はあるのか」という質問はあったものの、導入そのものに反対する声は出なかったそうです。2023年10月に完工し、12月に利用開始となりました。

 ひと通りお話をうかがってから、駐車場の充電器を見せてもらいました。立体駐車場の2階に3kW器が2台と、最上階で屋根のない3階に6kW 器が8台並んでいます。荒天時のことを考えて、10台すべてを3階にするのではなく、屋根のある2階に2台を置いたそうです。取材時にはちょうど小雨がぱらついていました。確かに、雨の中では傘を差しながら充電作業をする必要があって、屋上だとちょっと気が重いところ。先見の明ですね。

 充電器は基本的に住民限定利用になっています。マイカーを充電したい人は利用登録をした上で、ユアスタンドの専用アプリで充電開始と終了をコントロールします。充電器のある区画は、平面駐車場からも立体駐車場からもアクセスできるので、充電時は車を回してきて、済ませたらまた自分の駐車スペースに戻すという使い方です。また、居住者がアプリ登録していれば、来訪者のEVも充電できるそうです。

 三輪さんのマイカーは、2021年9月から乗っている三菱エクリプスクロスのPHEV モデル。使い勝手を聞いてみました。いまのところ「充電器は毎日誰かが使っているようですが、重なることもないので自分専用のように使えていて快適」とのこと。充電器の設置で、電動車の利点を生かして燃費(電費)を伸ばすことが出来るようになったと実感していて、「小さな節約ですが、CO2削減という社会貢献にもつながっているのではないかと思っています」と話してくれました。

 「以前は、遠出をする前に充電しておいて、燃費を良くするというような使い方しか出来ませんでした。よく充電しに行ったのは、近所にある三菱のディーラーやショッピングモールの急速充電器です」

 エクリプスクロスは 13.8kWh のバッテリーを搭載していて、静かでパワフルなモーターならではの走りを楽しめる SUV です。長距離走行をするにはバッテリー容量がやや控えめですが、「シリーズ走行モード」にしておくと、バッテリー残量が少なくなったら自動的にエンジンで発電しながらモーター走行をしてくれます。なので、わざわざ充電に行かなくても電動車らしさは楽しめますし、とくに困ることもなかったということですね。

 でも、マンションに充電器ができてからは、三輪さん、エンジンをストップさせたままの「EV走行モード」を使うことが増えたそうです。

 「エクリプスクロスは30分の急速充電で80%充電できるのですが、約3時間の普通充電で同じぐらい充電できて、それだけで50kmぐらいは走れます。普段、近場を走るぐらいだと、すべてEV走行で済んでしまいます。ガソリンを使わない生活パターンになりました」

 PHEVも、自宅に充電器が備わっていれば、ピュアEVに近い使い方ができるということですね。

 あと、さすがマンション管理組合の理事、と思えたやりとりをご紹介しておきます。それは「EV・PHEVは防災に役立ちますよ」という話です。

 エクリプスクロスは、バッテリー電力を取り出せるAC100Vコンセント(最大出力1500W)を備えています。つまり、万一の災害の時などには、非常用電源・蓄電池としてクルマを活用できるわけですね。

 今後、ガーデンセシアでどのぐらいEV・PHEVユーザーが増えていくかはわかりませんが、V2L(vehicle to Load=家電機器などへの給電)に対応している車種が選びやすくなるのは間違いなく、防災面のメリットもありそうです。

取材/篠原知存

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