【Wallbox海外事例】ニュージーランドでの社用車・職場充電用のEV充電器導入
2023年11月06日
「LICの社用車支給対象者60名のうち、32人がEVを選びました。充電器の利便性が、大きなインセンティブになりました。ランニングコストに関しては、1台あたり月々240 NZドルの節約になると試算しています。インフラのコストに関して、三相電力は避けるべきとのTransNetからの提案がこのプロジェクトの鍵となりました。このコスト削減結果は、基本的に全インフラの費用を賄うことになりました。」
– LICシニア調達スペシャリスト、デヴォン・サミュエル
課題
ニュージーランドを拠点とする農業技術および牛群改良の協同組合であるLICは、電気自動車(EV)を社用車フリートへの導入に当たり複数の課題に直面しました。
主な懸念事項のひとつには、社用車を利用する社員のための自宅での充電対応でした。当初は三相(動力)契約への切り替えも検討したものの、ニュージーランドの一般家庭への電力供給はほとんどが単相となっており、三相へのアップグレードはコストがかかり、現実的な解決策ではありませんでした。代わりに、TransNetはよりシンプルで費用対効果の高いソリューションを提案するに至りました。Power Boostの機能を用いて、既存の単相電力供給で望ましい結果を得ることができました。
100年以上にわたって酪農業界に世界をリードするイノベーションを提供してきた同社は、経費精算のために充電でかかった電気代などの費用を正確に追跡する方法も必要としていました。また、社員が退職した場合、EV充電器を取り外し別の場所に設置できることも課題の一つでした。
一方、LICの本社における職場(フリート用)EV充電設備も課題がありました。職場(フリート用)充電設備を支えるために適切な変圧器を用意すること、そして充電器を共用する利用者を識別するためのシステムが課題でした。更に、LICは来客や社員により良いサービスを提供するため、急速充電器の設置も求めました。
解決策
Wallboxは、ニュージーランドにおけるWallboxの公式販売代理店であるTransNetと提携し、LICと協力して顧客のすべての課題に解決する包括的ソリューションを提供しました。
LICは、家庭での充電にPower Boostを可能にするパワーメーター付きPulsar Plus 7.4 kW(単相)充電器を提案しました。これにより、家庭での過電流が避けられます。Power Boostの機能により、社用車を充電しながらの社員の自家用EVの充電も可能になりました。充電費用の精算のためのレポート作成には、現在myWallboxアプリが対応しています。
EV充電器は、TransNetの取り外しが可能な背板を使用して設置しました。社員が退職しても充電器を取り外すことができます。
We.EV(ワイカトを拠点とするEV充電インフラ事業者)は、TransNetの地下EV配電キットセットを活用してLIC本社向けソリューションを設計し、26器のWallbox Commander 2が設置され、EVの増加に伴いEV対応ピットの充電器数を倍増させました。Commander 2ユニットは内部4G接続を活用し、インテリジェント・パワー・マネージメントにより容量を超えることなく車両に充電を供給し、コストのかかる変圧器のアップグレードを不要にしました。
最後に、来客の利便性とLIC車両のスピーディな充電のために、Supernova 60kW急速充電器を設置しました。
成果
Wallbox、TransNet、We.EV、LICが提供した包括的なソリューションは、CO2削減と燃料代替の面で大きな成果をもたらすこととなりました。
過去12ヶ月間で、21,961.48 Kgの二酸化炭素量が削減され、24,553.21 Lのガソリン燃料が代替されました。 現在までに社員の自宅にはPulsar Plus40台設置し、会社にはCommander 2を26台とSupernova 60kWを1台設置されました。より多くの車両が電気化されれば、この数は増えていくでしょう。
過去6ヶ月間で、1300回近くの充電セッションが記録され、30名のユーザーが充電器を利用しました。このソリューションはLICの全ての課題を解決することにもなりました。ダイナミック・パワーシェアリングにより、既存の受電設備をアップグレードする必要なく、より有効に活用できるようになったのです。また、コストも大幅に節約できました。