マツキヨココカラ&カンパニー CO2排出ゼロへの「第一歩」

2025年01月23日 オフィス・工場

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全国に約3,500店舗を展開するドラッグストア大手、マツキヨココカラ&カンパニーの本社(湯島オフィス、東京都文京区)に、社用車向けの6kW充電器が設置されました。経営方針に掲げたCO2削減目標を達成するための「第一歩」だそうです。担当者にお話を聞いてきました。

CO2排出ゼロへの「第一歩」

 

株式会社マツキヨココカラ&カンパニーは、株式会社マツモトキヨシホールディングスと株式会社ココカラファインが経営統合し誕生した企業です。充電器が設置されたのは本社所在地となっている自社ビルの駐車場。日東工業製のPit-2Gシリーズが1基、壁付けされていました。

外観はマンションなどに設置されている機種と同様ですが、個人利用向けのユアスタンドアプリではなく、ユアスタンドが法人向けに提供しているシステム「Yourstand for Business」で運用されています。事前に登録された利用者だけが充電できる仕組みはアプリと同様です。利用者用の画面はウェブベースなので、スマホやパソコンよりログインでき、手軽に充電を始めたり、完了させたりすることが可能です。

予約機能もあり、たとえば出先から帰社する時間に充電器を確保しておくことも可能です。管理者は、パソコン画面で充電器の運用状況をリアルタイムに把握できるようになっています。

この充電器とシステムを導入した経緯についてお話を聞かせてくれたのは、グループのシェアードサービスセンターである株式会社MCCマネジメント管理本部総務企画部の鶴見英斉さんと吉岡丈史さん。

 

マツキヨココカラ&カンパニーは、グループ理念、グループビジョンの実現に向けて、取り組むべき重要課題(マテリアリティ)のひとつとして「地球の健康を考える」を特定し、CO2 排出量を削減することで「エシカル社会に貢献する存在となる」ことを掲げています。

「CO2排出量削減のために、これまでにも全国に展開する店舗照明のLED化、空調設備の入替などは進めてきました。次の段階として保有車両を次世代自動車に切り替えていきたい。今回の本社へのEV用充電器設置は、その第一歩となります」

マツキヨココカラ&カンパニーは、日本のスタートアップ企業がファブレス生産する商用EVバンの「ASF2.0」を店舗デリバリーサービス「マツキヨココカラ Q(キュー)」で導入するなどEVシフトに取り組んでいます。それ以外にも従業員が利用する社用車があり、CO2削減可能な車両の導入を進めていきたい、とのこと。

 

「地球環境の保全について真摯に向き合い推進していくことは、社会的責任であり、最終的には企業価値を高めると認識しています。設定したCO2削減目標には着実に取り組みたいと思っています。EVについては普及が発展途上であることもあり、航続距離が心配とか、充電の仕方が判らないなど、不安なイメージを持っている従業員がいます。まずは安心感の醸成含めた意識改革が必要なのかなと思っています」

EVは実際に乗ってみなければ、便利さやコスパ、走りの良さが伝わりにくいのも事実。EVを購入してから充電器を設置するのが一般的ですが、まず充電器を設置するというのも、意識改革にも有効かもしれません。近年は建売住宅にもEV充電用コンセントを設置するのが常識になりつつあります。オフィスビルにEV用充電器がある風景もめずらしくなくなっていくのでしょう。職場や自宅に充電器があることのメリットは、EVに乗ればすぐに納得できるはずです。

ライフラインとしての薬局を守る

 

鶴見さんたちは、防災の観点からも、EVを導入することにメリットがあると考えているそうです。大規模災害が発生した場合に、地域のドラッグストアは大切なライフラインのひとつになります。とくに医師が書いた処方箋の指示に基づいて薬を調合する調剤薬局は、被災者が健康な生活を維持するのに欠かせないインフラ施設といえます。

「試験的にEVやPHEVを調剤店舗に配置している調剤薬局が存在します。薬を処方しないと健康を損ねてしまう患者様もいらっしゃいます。災害が起きて万一停電したとしても、1日や2日なら、EVやPHEVから電気を取り出すことで、照明や器材などを動かして店舗機能を維持することができます。有事の対応が可能なことは、地域社会の方にも喜んでいただけるので、店舗付近の医療機関とも協働しながら今後について検討していきたいと思っています」

全国に約1,000店舗展開しているという調剤薬局の防災対策を考えつつ、必要な店舗のEV化やEV用充電器の設置を検討したいとのことでした。すでに、ある店舗で、PHEV2台に加えて、EVのASF2.0も1台導入して、実証実験を行う動きもあるそうです。

今回は、本社への充電器1基を設置したのと同時に、株式会社マツモトキヨシグループ新松戸オフィス(千葉県松戸市)にも充電器3基が設置されました。いずれ、一拠点でEVを何台も運用するようになったら、実際にシステムを使ってみた感想などもお聞きしたいですし、調剤薬局での防災訓練などが行われたりするなら、その時はぜひまた取材に訪れたいと思います。

取材/篠原知存

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